2012年6月12日火曜日

タチアオイ(16) 多弁化株の出現


Althaea rosea (16) 

庭にタチアオイを植えて10年以上経つが,こぼれだねで生えてきた子孫は昨年まで全て一重だった.ところが今年初めて多弁花をつける株が複数出てきた.しかも,広くもない庭の特定の地域に固まって.

多弁化の程度は株により異なり,中央の合糸雄しべ (adelphous stamen) の一部が一枚の花弁になって飛び出しているもの(左図左)から,合糸雄しべが複数に分裂して,その一部が花弁化しているもの(左図右),その数が多くて,殆どボタンの花を思わせる八重に近いもの(冒頭図)など,様々.株の大きさからすると,昨年成熟した種から昨年秋に発芽した若い株と思われる.

中心部に多数の小花弁を持つアネモネ咲きの市販の「八重タチアオイ」とは形状的には異なるので,そのような株から受粉したとも考えにくく,近くにはそのような園芸種も見当たらない.
局所的に複数同時に現れたことは,原発事故の後だけに一寸不安だが,変異の過程を見ているようでわくわくもしている.種を採って来年も見てみよう.

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