2011年7月22日金曜日

ガイラルディア(テンニンギク)サンクレスト (2)

Gaillardia pulchella sp. “Suncrest”
ガイラルディアはアメリカ合衆国中部原産のキク科,ガイラルディア属の一年草.オクラホマ州の州の野生の花(State wildflower).4月の米国ウィルミントンの海岸で,絨毯の様に道端を埋め尽くしていた野生種(原種)の花を見たが,まさに米名の“Indian blanket”.中心部が赤で周辺部が黄色の染め分けの派手派手模様.これからいくつかの園芸種が生まれた.有名なのはポンポン咲きのサンダンス・バイカラーや,ヤグルマギクに似た形のサンドリーム・ダブルイエローで,いずれも管状花が花弁化していて,真夏には暑苦しい.


このサンクレストの花はバーガンディー色の一重で花弁も薄く,茎も細く葉も薄いので風にそよぎ,暑さを忘れさせてくれるエレガントさを備えている.昨年の晩春,息も絶え絶えに残っていた一本の個体から採れた種を,今春播いた.昨秋に播くべきだったのだが,すっかり忘れていて--.発芽率は悪かったが,苗は順調に育って今花盛り.ディモルフォセカの後を埋めている.しかし,秋播きに比べると徒長気味の感があり,暑さのせいか下葉が枯れ始めている.やはり秋まきがいいようだ.舌状花が落ちた後も,釦のようで鑑賞できる(左画像).

ガイラルディア類の和名はテンニンギク,明治改元の二日後に死亡した馬場大助の『舶上画譜』(1868)に描かれているのが文献上初出(磯野直秀,2007)とのこと.中国でも天人菊と呼ばれているが,別名虎皮菊、老虎皮菊と,黄色と赤の縞模様を虎の皮に見立てているのが面白い.

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