2010年10月4日月曜日

タコノアシ

Penthorum chinense 日本のほか東アジア一帯に分布.湿地や沼,休耕田など湿った場所に生育していて,そう珍しいものではなかったが,生育区域の開発と,同じような環境を好むセイタカアワダチソウとの生存競争に負けたためか,多くの県で絶滅危惧2類に指定されている.国のレッドデータブックによると総個体数約6万で,100年後の絶滅確率は約2%,約300年後には絶滅すると予測されているが,最近整備された湿地に一気に繁殖した光景もみられた.

草丈は1mほど,秋に放射状に数本に分かれた茎に薄緑色の丸い小さな花をつけ,上から見ると吸盤のついた蛸の足のよう.晩秋になるとさく果が熟しまた全草が紅葉し,ゆで蛸のようになる.中国では扯根菜 che gen cai と呼び,若葉を食用とするとの事.

里山として保存活動をしていた水田の水路に生育していた個体の種をバケツに播いたら発芽.順調に成長し,花も咲き,結実.落ちた種からの発芽率は良いようだ.
左:水路に成育している個体の花
右:晩秋の湿地でのゆでダコ

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