2010年8月17日火曜日

ミント

Mentha sp.
23 Woe unto you, scribes and Pharisees, hypocrites! for ye tithe mint and anise and cummin, and have left undone the weightier matters of the law, justice, and mercy, and faith: but these ye ought to have done, and not to have left the other undone. (Matthew XXIII)

‘mint’ の名は L menthe のなまりで,ローマ神話の妖精 Minthe に由来する.Minthe は地獄の河神 Cocytus の娘で,Pluto に愛されたのでその妻 Proserpine のねたみを買って,この草に変えられた.水辺に好んで生えるのも,もとは河神の娘だったからだという.

この草が野菜・薬草として古来高く評価されていたことは,パリサイ人が十分の一税(tithe)として mint,anise(アニス),cumin(ヒメウイキョウ)を納めていた(マタイによる福音書,XXIII,23)ことからも察せられよう.
「偽善な律法学者,パリサイ人たちよ.あなたがたは,わざわいである.はっか,いのんど,クミンなどの薬味の十分の一を宮に納めておりながら,律法の中で最も重要な正義・慈悲・誠実はないがしろにしている.これこそ行うべきことである.もとより、十分の一の献げ物も無視してはならないが.」

ローマ人もこれを盛んに用い,Plinyは,mintの香りをかげば頭がすっきりし,肉がむしょうに食べたくなると言っている.また,Ovid:Met- Amorphoses VIII, 631によれば,PhilemonとBaucisのふたりは,旅びとに身をやつしたJupiterとMercuryに食をふるまう前に,食卓を青いmintの汁で清めたという.この草はミルクの凝固・酸化を防ぐといい,したがって胃によいとされていた.
イギリスへはローマ人が伝えたものらしく,既に9世紀の尼僧院でも栽培していて,中世紀の植物誌でmintに触れていないものはないという.(英米文学植物民俗誌 加藤憲市著より 一部改変)

地植えにしてはいけないハーブのNo.1.以前頂いたミントを地植えにし,退治するのに数年かかった.今年もアップルミントを家内が買ってきたので,絶対庭に植えてはいけない,といって,鉢に植えさせたが,実際は使いもしない.
この花はもう数年,プランターの中で生育しているミントの花.種類は不明.

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