2010年6月12日土曜日

タチアオイ(10) フランスのタチアオイファンのサイト,芭蕉・正岡子規・中村汀女

Althaea rosea (10) 庭では最も異様な花.黒紅色の八重.通常花は雄しべの弁化によって,八重咲きになる.タチアオイの場合は一重の花では中央にある雌しべとそれを取り巻く雄しべが,八重咲きの花では数箇所から出ているように見える.種の出来方などがどうなるのか,見てみたい.

フランスのタチアオイファンのサイト“Avant-garde Hollyhocks ”には,世界中のタチアオイにまつわる話が集められているが,そこには芭蕉・正岡子規・中村汀女の作品が引用されている.

Basho (Japan, d. 1694 )

Épanouie au bord de la route
Cette rose trémière
Broutée par mon cheval.

Masaoka Shiki (Japan, d. 1902 )

a hollyhock
shot up to meet
the summer solstice

Teijo Nakamura (f., d. 1988)

Sanpô ni
chô no wakare shi
tachiaoi

芭蕉の句(日の道や葵傾くさ月あめ )は既に引用したが,
        正岡子規(1867–1902)    のびきつて夏至に逢ふたる葵かな
        中村汀女(1900–1988)    三方に蝶の分かれし立葵

正岡子規にはことのほかタチアオイの歌が多く,多病の彼がタチアオイの生命力に感動を覚えたのかとも思われる.

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