2010年5月20日木曜日

シャクヤク (1) 晴姿 花の相(大臣),『菜譜(中)圃菜(下)』花の食べ方

Paeonia lactiflora中国では花の王は牡丹で,花の相(大臣)が芍薬とされる.勿論中国原産で,平安時代前期以前に薬用植物として日本に入ってきて(『文華秀麗集』 (818年)),その後鑑賞用として改良された.

日本のシャクヤクは一重咲きが中心で,特に雄蕊が大きく発達して盛り上がり花の中央部を飾るものが多く,全般にすっきりした花容である.この花型を「金蕊咲き」と呼び,海外では「ジャパニーズ・タイプ」と呼んでいる.

伊藤伊兵衛の『増補地錦抄』1695年と『花壇地錦抄』1695年には計160の品種が記載され,また左のような図によって各品種の差異を記しているが,やはり一重咲きが基本である.

一方,貝原益軒の『菜譜(中)圃菜(下)』1704年には「(牡丹と同じく)花白きとうす色なるをとりて、熱湯につけもみて醋、塩、酒、或醤油と醋をかけ食す。また醋みそにて食す。赤花は性味あしし。」と食べ方を記している.どんな味がするのだろうか.

英国には1784年頃にロシア人の旅行家パラスがシベリアから持ってきたが,根や種が食用になるということで消えてしまったらしい.
1805年にバンクス卿が中国からミルク色の花を手に入れ,これから種々の色のシャクヤクが生み出された.また19世紀の初期からは多数の庭向きの美しい花の栽培種が中国から輸入され,現在の西洋シャクヤクが育種された.

2006年3月に苗を購入.この品種は西洋シャクヤクの系統で育て易いはずだったが,2年間は葉を伸ばすばかり.ようやく昨年から花をつけ始めた.やや日当たりの良くないところでも生育して花をつけるが,もっと肥料を与えなければいけない.八重で蕊はほとんど見えず,甘いがやや不快な香りがする.

0 件のコメント: