2010年5月29日土曜日

タチアオイ(1)

Althaea rosea (1) 5万年前のイラクのシャニダールのネアンデルタール人の遺跡でこの花の花粉が発見され,古代から花の美しさは認められていたようだ.
原産地は中東,中国にはおそらくは山のシルクロード(インド・ミャンマー)を経て四川省に伝えられ,唐代以前には蜀葵(しょくき)の名で,一番の名花とされた.
日本においては,918年ごろに成立したという日本最古の本草書「本草和名」に「ショクキ(蜀葵)」の和名として「加良阿布比」を挙げており,平安時代には既に伝えられ,唐葵と呼ばれていたことが分かる.清少納言『枕草子』第66段「草は」に,「からあふひ、日の影にしたがひてかたぶくこそ、草木といふべくもあらぬ心なれ」と太陽の運動と共に茎の先端が動く事を興がっている.江戸時代に名が立葵となった.
一方欧州へは十字軍によって運ばれたと考えられ,17世紀初頭には「この植物は宮廷を初め広々とした庭に最も似つかわしい.とても堂々としてどっしりしているからである」と記されている.19世紀には,中国の種が導入され,しばらくは花屋が扱う大事な花として,ダリアと妍を競った


勤めていた新宿の研究所近くのお宅に咲いていた底紅の花の種を頂いて播いたら,真紅から桃色まで色々な花の株が出た.よほど土が合うと見えて近所の名物に.
調子に乗って,米国から通販で種を購入して育て,色々な花を楽しんでいる.悩みはハマキムシと発芽率の良すぎる種.左は数年前の最盛期の様子.








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