2010年4月3日土曜日

サクラソウ(1) サクラソウ 原種

Primula sieboldii

「我が国は 草も桜が 咲きにけり」 小林一茶

いよいよサクラソウ(日本桜草)が咲き出した.古典園芸植物の中でも比較的歴史の浅いこの花は,江戸時代中期以降から育種が盛んになった.荒川上流域の,田島ヶ原や浮間ヶ原に自生していた原種から,変異種を選抜し,それらを交配して数百種の品種になった.江戸時代前半に出た園芸書「花壇綱目」(1681)「花壇地錦抄」(1694)にはサクラソウに白と紫の2種がある事と育て方は出ているが,品種名は記載されていない.「地錦抄付録」(1783)には10品種記載され,その中には現在も栽培されている「南京小桜」もある.

利根川流域にサクラソウを回復させる運動をしている方から8年ほど前に頂いた原種の株が増えて,今では地植えを試行しているほど.育てやすかったので園芸種にも挑戦し,消えてしまったのもあったが,だんだんコツがつかめて,「庭の花」の資格を持つ株が10種ほど.順次紹介する.

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